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橋之介のブリッジれぽーと

橋之介のブリッジれぽーと(20)


 

 

橋之介れぽーと(18)
新年、明けましておめでとうございます!
みなさんはどんな冬休みを過ごしたのかな?
クリスマスプレゼントは何だった?
ボクたちはね、家族みんなで北海道でお正月を迎えたんだよ。
冬の北海道はとっても寒かったけど、とってもとってもきれいで、とってもとってもとってもおいしかったよ!
 

このレポートを読んでくれてる人のなかには、北海道に住んでる人もいるんだよね?今年のお正月はね、ボクたち、北海道のおじいちゃんちに行ってきたんだよ。ボクのママは北海道生まれだって知ってた?北海道にはいまもおじいちゃんとおばあちゃんが住んでいるから、何回か行ったことはあるんだけど、お正月に行くのは初めてだったんだ。
北海道って、とってもおいしいものがたくさんあるよね。クマとしてはね、まず鮭ってお魚が欠かせないの。うちのママも鮭を使ったお料理をよく作ってくれるよ。もちろんカニも食べなきゃだし、それからジャガイモ、タマネギ、アスパラとか、お野菜もいろいろ。トウモロコシも忘れちゃいけないね!ああー、おなかすいてきた…。って、あれ?いつのまにか食べ物の話になっちゃったね。どうしてかなあ。ま、いいや、食べ物の話はまたあとで。とにかく、ボクたちが久しぶりに北海道に行ったお話をしなくちゃね。

 
 

「おお、橋之介、ウィニー、来たか!ハナもビクターも元気そうだな」「みんな、遠いところをよく来たわねえ」 めまんべつ(女満別)っていう小さな空港に降りてロビーに出たとたん、聞き覚えのある声がボクたちを迎えてくれた。
「あ、おじいちゃん、おばあちゃん!お迎えに来てくれたの?」 「おじいちゃま、おばあちゃま、こんにちは。お泊まりするの、楽しみです。よろしくお願いします」
「あらあら、なんだかウィニーのほうがお姉さんみたいね。お父さん、お母さん、ウィニーの言うとおり、お世話になります」
「なーんもなんも。こっちこそ、楽しみにしてたさあ」おじいちゃんがごきげんな返事をしながら、おっきな手でボクの頭をぐるっとなでてくれた。パパはにこにこしながら、2人におじぎして、それからかるーくハグして背中をポンポンとたたいたよ。
「パパったら、日本式とイギリス式、両方のごあいさつをしないと気がすまないんだから」ウィニーがあきれたように言ったので、大人たちは笑いだした。 あ、そっか。おじぎが日本式で、ハグがイギリス式か。そういえば、日本ではあまりハグってしないけど、握手じゃあ、よその人みたいだよね。

 

 
 
「さ、それじゃ行こうか。橋之介、外はしばれてるぞ」「えっ?お外に行くと、しばられちゃうの?ボク何も悪いことしてないよう~」
「ちがうのよ、北海道ではとっても寒いことを『しばれる』っていうの。外に出てみたらわかるわよ」ママが笑いながら教えてくれた。なーんだそうなんだ。おじいちゃんが「しばられる」って言ったのかと思って、ボクあせっちゃったよ。でも、外に出てみるとほんとにとーっても寒かったよ。まるでスキー場にいるみたいで、おまけに風が吹いて積もった雪が舞い上がってる。なるほど、横浜とは違う寒さだね。
「お父さん、僕が運転しましょうか」ってパパが聞いたけど、おじいちゃんはワッハッハと笑って、「ビクターは雪道の運転は慣れとらんだろ。さ、遠慮せんで乗った、乗った」 とパパの背中を押して、ボクたちといっしょに後部座席に乗せたんだ。
おじいちゃんの車は大きなワゴンで、大勢でゆっくり乗れるの。ボクとウィニーは窓に顔をくっつけて、外をながめたよ。道路はまっすぐで、幅がとっても広くて、両側には雪が積み上げられてるんだ。それでもまだ道の真ん中にも雪が残ってるし、空は暗くなってきて、また雪が降り出しそうな感じだった。
「みんなずいぶんスピード出してるみたい。雪があるのにこんなに早く走って危なくないの?」「あら、ウィニー、よく気がついたわね。横浜では、高速道路でもなければみんなそれほどスピードを出さないものね。北海道では道が広くてまっすぐだし、車もそんなに多くないから、スピードを出す人が多いのかしら。私もこっちに帰ってくると、車に乗るのがちょっとこわい時があるのよ」
「そうかな?君はこっちで運転すると性格が変わると思ってたよ」「あら、失礼ね!私はいつだっておだやかよ。ねえ、橋之介?」
「え、え?ああ、うんまあ、そうじゃない?ボクのテストの点数のこと以外では。ブリッジ教室だって、みんなママがとってもやさしくて教え上手だから楽しいって言ってるよ」
「そうでしょう?テストの点数だって、そんなにこわくしかったことないはずよ」「しかられても、お兄ちゃんは聞いてないかも」「そんなことないよ。ボクちゃんとがんばって、この前の成績表は少しよくなったもん」
「そうなの、橋之介?そりゃあ、がんばったのね。クリスマスは過ぎちゃったから、お年玉はずまなきゃね」これはおばあちゃんだ。「わあ、ほんと?ボクね、学校の勉強もブリッジもがんばってるんだよ。ブリッジではみんなと大会にも出たし。おじいちゃんとおばあちゃんもブリッジのお勉強してる?」「もちろんよ。イギリスのテレンスに教えていただくこともあるし。この頃は、おじいちゃんもずいぶん上手になってきたのよ。将棋と碁しかしなかった人がねえ」
「そったらこと言わんでよし!ほら、もう着くぞ」あれえ?おじいちゃん、今日はおもしろい言葉をたくさん使ってるよ。去年、ボクんちに来た時は普通の言葉だったけど、北海道にいるとここの言葉が出るんだね。ボクも教えてもらいたいなあ。
わいわい言っているうちに、もうおじいちゃんちの近くまで来てたよ。このあたりは、道路のまわりも木ばっかりで、おうちはあんまりないみたい。ぽつんぽつんと明かりが見えることもあるけど、おうちが道路のすぐそばに建っているわけじゃないから、よくわかんないや。おじいちゃんちは1階建てだけど、ひとつひとつのお部屋が大きいような気がするなあ。玄関のドアはふたつもあるんだよ。冷たい空気や風をできるだけおうちに入れないようにするためなんだって。北海道のおうちって、おもしろいね。
 
外はしばれる寒さだけど、おうちのなかはものすごくあったかくて、ボクもウィニーも鼻水が出てきちゃった。ママの話だと、北海道では冬がとっても長いから、おうちのなかを暖かくする工夫がいっぱいしてあるんだって。ストーブだってとっても大きいし、暖房はおうち全体をあたためるようになっているの。クマの本性、じゃない本能が出てきて、春まで眠って過ごしたくなっちゃいそう。
「お兄ちゃん、ワタシたちがお泊まりするお部屋って、ママのお部屋だったんだって!ママの机や、小さい頃に読んだ本があるのよ。ママが作ったクッションやぬいぐるみも!ちょっと来て来てー」
気持ちよくあたたまってほんわか気分でいると、ウィニーが走ってきてボクの腕を引っ張った。ボクは前にもこのおうちにお泊まりしたことがあるけど、その時はママのお部屋をよく見なかったなあ。ウィニーといっしょに行ってみると、ママが古そうな段ボール箱を開いているところだった。
うわー、いろんなものがいっぱい入ってる!小学生の頃の作文とか、絵や工作とか、日記帳や、「たからばこ」って書いてあるきれいな箱とか、賞状とか。たしかにおもしろそうだね。わ、この花の絵、すっごく上手!
「ああ、それは4年生の時にかいたの。いまの橋之介と同じね。お気に入りだったから、よく覚えてるわ」「わあ、ママ、絵が上手ねえ!ママは小さい頃からお花が好きだったのね。あ、こっちの絵日記、おもしろーい!山のぼりしたの?」「あら、そんな昔のものもとってあったのね。きっと魚釣りの日記もどこかにあるわよ」
ママったら、子どもの時からお花が好きで、絵も上手だったんだなあ。だから、ガーデニングデザイナーになりたいって思ったんだね。
「さあさあ、2人とも。ママもなつかしくてもうちょっと見たいけど、おじいちゃんたちが待ってるわ。あっちへ行ってお茶をいただきましょう」ママがそう言ったので、ボクたちはいきおいよく立ちあがった。
おばあちゃんが用意してくれたおいしいお茶とお菓子をいただきながら、ボクたちはパパにママの昔の作品の話をしたんだ。おじいちゃんもおばあちゃんも、なつかしそう。
「そう、あなたは絵が上手だったわね。山歩きが好きで、花や葉っぱや木の実なんかを山ほどかかえて帰ってきたわ。植物が好きで、変わった花を育てたりもしてたわね」「北海道は寒いから、チューリップなんかを育てるのにも苦労したわ。花をだめにしちゃったこともあるしね。でも、お父さんが小さな温室を作ってくれたでしょう。あれでますます、花が好きになったわ」
「え、温室?ワタシも見てみたい!まだあるの?」「もちろんあるわよ。あとで見てごらん」「わあ、このおうちにはママの思い出がいっぱいだね。子どもの頃から花好きなんて、『三つ子の楽しみ百まで』だね」
なぜかいっしゅんシーンとなってから、ウィニーがゆっくり言った。「お兄ちゃん、『三つ子の楽しみ』って言った?『三つ子の魂百まで』っていうのがほんとよ。知らないの?」「あれ、そうだったっけ?でも、ママは小さい頃の楽しみが大人になるまで続いてるんだから、これでいいんじゃないの?」
「ワッハッハ、ほんとに橋之介は愉快だなあ。ウィニーもよくそんな難しい言葉知ってるな。2人とも、将来大物じゃ!」おじいちゃんの大笑いにつられて、みんなが笑った。やれやれ、またやっちゃったよ。でもボク、将来、大物になれるのかも?!
 
 
 
おじいちゃんちに2晩お泊まりして、おうちにもすっかり慣れてきたところで、いよいよ今日は大みそかだ。1年の最後の日だね。この2日間、ボクたちはおじいちゃんとおばあちゃんを手伝って、大そうじもしたんだ。汚れてるところはなかったけど、ぞうきんがけしたり、窓ふきしたり。長い廊下をぞうきんがけするのはおもしろかったよ。よつんばいでぞうきんがけしたのは初めてだったけど、とてもうまいっておじいちゃんがほめてくれたんだ。横浜のおうちにもぞうきんがけする廊下があればいいのに。ウィニーとママは、おばあちゃんを手伝ってキッチンで長いこと過ごしてた。おいしそうなにおいがして、ボクがのぞきに行くと、いつもウィニーにしめだされちゃうんだ。ごちそうをたくさん作ってるんだよね。楽しみだなあ。
朝はね、窓のガラスに真っ白なものがびっしりついて、キラキラしたもようを作ってるの。とてもきれいだよ。ママが、これは霜っていうんだって教えてくれたんだ。毎朝しばれる寒さだけど、雪がたくさんある朝って、とてもきれいですてきだよね。
きのうは、おじいちゃんとパパとボクとで朝からワカサギ釣りにも行ったんだ。湖がカチカチに凍ってて、氷に穴をあけて魚釣りするの。氷の上に座って待つんだよ!カイロも持ってったし、ちっちゃな火もたいてたんだけど、氷がとけて湖に落ちるんじゃないかとハラハラしたし、だんだんおしりが寒くなってきてゾックゾク!スリル満点だったよ。もちろん、お魚もたくさん釣れたから、おばあちゃんがおいしいから揚げにしてくれたんだ。それから、海岸にある流氷が見えるタワーにもみんなで行ってみた。流氷ってわかる?北の海が凍って、その塊が少しずつ割れて、このあたりの海岸まで流れてくるんだって。とても見たかったけど、このあたりまで氷が流れて来るのは2月に入ってからなんだって。だから、ボクたちは流氷のビデオを見たんだ。それからクリオネっていうちっちゃな海の生き物も見たよ。すきとおってて、すっごくかわいいの!ウィニーはすっかり夢中になって、クリオネのぬいぐるみを買ってもらったよ。
大みそかの夕方、おうちのなかでは、おばあちゃんとママが大忙しで、大きなテーブルにお皿をどんどん並べ始めたの。「わあ、すごいなあ。でもこれ、お正月のごちそうでしょ?明日まで食べちゃいけないの?」「ちがうのよ、橋之介。北海道では、大みそかにたくさんごちそうを食べるの。おもしろいでしょう?」「へえ、ほんと!ボク大歓迎だよ!お手伝いすることある?」「まあ橋之介ったら、急に張り切っちゃったわね。じゃあこっちのお寿司、運べるかしら?」「わーい、お寿司!もちろん運べるよ!」
夕ごはんはすんごいごちそうだった。でっかい桶に、ものすごくおいしい北海道のお寿司がてんこ盛り!北海道のお寿司って、なんでこんなにおいしいの?魚もカニも新鮮だからかなあ。大きな毛ガニもあって、ボクはもう夢中で食べちゃった。「橋之介、うまいか?たーんと食べろよ」って、おじいちゃんがにこにこしてたのは知ってるけど、お返事するひまがなくて、大きくうなずくしかできなかったよ。ほかにも、一足早いおせち料理のお重やママ特製のニンニクのきいた鶏のから揚げ、大きなカニシュウマイ、 おばあちゃんお手製の松前漬け(初めて食べたけど、これがまたおいしいんだよ~)、鮭をまるごと一匹お野菜といっしょに包み焼きにしたものなど、もう、ほんとにいろんなごちそうがたーくさんあったよ。
イラスト
「北海道では、大みそかはたくさん食べて飲んで、遅くまで楽しく騒ぐおうちが多いのよ」とママ。「どうせ夜更かしなんだから、あとでブリッジしましょうよ。お父さんとお母さんの上達ぶりも見たいわ」パパもにっこりして、グラスをあげた。おじいちゃんはボクの頭をぽんとたたいて、「どうだ、橋之介もやるか?おじいちゃんもおまえには負けんぞ」と言った。「うん!おじいちゃん、ボクけっこう強いんだよ。パートナーになってあげようか?」
「あら、じゃあ、おばあちゃんはウィニーにお願いしようかしら」「お母さん、ウィニーは本当に頼りになるわよ」「ええ、ワタシ、ブリッジ大好き!」
やったー!やっぱり、ボクの家族のお休みはこうでなくっちゃね!
「ウィニーもボクも『三つ子の楽しみ百まで』になりそうだね」「だから~、『魂』だってばあ!」あちゃー、またやっちゃった!ウィニーのやつ、ほんとにこの頃、エリーちゃんに似てきたなあ。
「でも本当に『楽しみ』でもいいような気がしてくるわね。さ、じゃあブリッジしましょうよ!」そう言ってママがお夕飯の後片付けを始めたので、みんなでお手伝いしてブリッジテーブルを用意したんだ。
外ではしばれる寒さがどんどん強くなっているけど、おうちのなかはあったかくて、みんなの笑い声がひびいてるよ。よおし、今日は除夜の鐘が鳴るまで起きてるぞう!夜中までブリッジするんだから、あとでまたお夜食いただこうっと!
 
 
そんなわけで、ボクんちの冬休みはほんとに楽しかったよ!みなさんもよいお年を迎えてるといいな。今年もどうぞよろしくね!
 
 
 
 
 
 
今日のきょうくん(教訓)
北海道の寒さは「しばれる」。
あんまり寒くて、体が凍りついてしばられるみたいだから?
みんなでブリッジするのは最高!
親戚が集まった時もやっぱりブリッジ!
「小さい時のくせは一生残る」っていうのは、「三つ子の魂百まで」
でも、やっぱりボクは「楽しみ」でもいいじゃん、って思うんだけどなあ。
 
 
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