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橋之介のブリッジれぽーと

橋之介のブリッジれぽーと(4)


 
橋之介です、よろしくね!
みなさん、こんにちは!ボク、橋之介。ブリッジを習い始めたばかりなんだよ。まだよくわからないけど、とっても楽しいよ。
「ブリッジの競技会」を見学したの。読んでね。


注)NECブリッジフェスティバルは毎年2月、横浜市のパシフィコ横浜で開催される国際競技会。2005年は16カ国約250名が参加。2006年は2月7日~12日に開催。
 
   
競技会場へ
 
4時になったところで、健君一家はおうちに帰ることになった。
「橋之介君、今日はどうもありがとう。楽しかったね。また会えるといいね。ボクは東京に住んでるんだけど、橋之介君は?」別れ際に健君が言った。
「ボクは横浜。さっき健君の電話番号を聞いたから、ぼくんちのも教えるね。」健君に電話番号をメモしてもらってさよならした。「ぜったい、また会おうね!」
愛子先生がやってきて、「橋之介君、またひとりになっちゃったわね。もう少し、ミニブリッジで遊んでいく?」と聞いてくれた。
「どうもありがとうございます。もうちょっと遊びたい気もするけど、パパに試合の終わりの方を見に来たらって言われたんだ。本物のブリッジの試合を見たことないから、そっちに行ってみます」とボクは答えた。
「そう。じゃあ、会場のお父さんのテーブルまで連れて行ってあげるわ。ただ、試合を見るときには、4人のプレイヤーのうちひとりの人の後ろに座って見るようにしてね。それと、見ている人は静かに見るのがブリッジのマナーなの。ちょっと大変かもしれないけど、できる?」
「大丈夫。パパにもさっき同じことを言われたの。うるさいとつまみ出すぞ!って」ボクは笑いながら言った。
「まあそうなの。じゃあ、行きましょう」ボクは愛子先生に案内されて、競技会場へ向かった。
NECブリッジフェスティバル
パパが試合している会場に入ったとたん、あまりの広さにビックリしちゃった。それにものすごくたくさんの人。こんなに大勢の人がみんなでいっせいにブリッジしてるなんて、オドロキ、トドロキ、サンバの木!(だっけ?)。それなのに、チョー静かだなあ。
愛子先生はすぐにパパのテーブルをを見つけて連れて行ってくれた。そして、どこからか椅子を持ってきてボクを座らせて、そっとウィンクしていなくなっ た。愛子先生と目が合ったとき、ボクは声を出さないようにして「ありがとうございました」って言ったんだけど、わかったかなぁ。
 
ボクは愛子先生とパパの注意どおり、おとなしく見学をはじめた。パパのパートナーは、ときどきボクんちでパパとママとブリッジしているヒグマさんだ。プレイが終わってみんながカードをしまうと、パパの右側に座っていたおじさんがボクの方をふり向いた。
 
NECブリッジフェスティバル
「ビクター、君のジュニアかい?」にこにこしながら、まあるい目をしたそのおじさんが聞いた。
「ああポール、ジャスティン、息子の橋之介です。橋之介、ポール・ハケットさんとジャスティン・ハケットさんだよ。2人も親子で、それにパパと同じイギリス人なんだ。2人ともイギリスを代表するプロブリッジプレーヤーなんだよ」とパパが紹介してくれた。
「はじめまして。橋之介です。BJって呼んでください」ぜったいにおしゃべりしちゃいけないと思っていたから、ボクはちょっと気まずくて、もじもじしちゃった。
「ハロー、BJ」2人がそう言って、ボクと握手してくれた。

「あの、おしゃべりしちゃいけないんですよね?」ボクがそっと聞いたら、ポールおじさんが、「ああ、プレイが終わった後は大声じゃなければいいんだよ」って教えてくれた。
「今回は日本に来ていないけど、ジャスティンにはジェイスンっていう双子のお兄さんがいるんだよ。彼もやっぱりプロなんだ。ブリッジ一家さ」パパが続ける。
そして、「ポールのあだ名はパパベアっていうんだよ」と言って笑った。そういえば、ポールおじさんのおなかは、ボクのパパそっくりかも・・・。
「次のラウンドにお代わりください」というアナウンスがあって、みんなが席を移りはじめた。
「じゃあまたね、BJ」って言って、ポールおじさんとジャスティンお兄さんは別のテーブルに行ってしまった。
 
その後、パパのうしろでずっと見学していた。ここでやっているのは、さっき習ったミニブリッジじゃなくてコントラクト・ブリッジだからオークションがあるんだ。ボクはまだオークションは習ってないからちんぷんかんぷんだけど、なんだかカッコいいなぁ。
でも、少しわかるところもある。パパがリードのとき、さっき愛子先生に教えてもらったのと同じように出してるよ。そうかー、初心者でも、ずっと長くブ リッジしてる人でも、約束事は一緒なんだ。そう思うと、なんだかうれしくなってきちゃった。後でパパにこのことを報告しなくちゃ。
NECブリッジフェスティバル
 
でも、みんなプレイが早すぎて、ボクにはまだついていけないなぁ。それに、あのオランダのお兄ちゃんたちみたいに、テレパシーがある人がたくさんいるみたい。どうして、見えてないカードがわかるんだろう。やっぱり訓練だよね!ボクもがんばろう。
 
NECブリッジフェスティバル
見学しているうちにあっという間に時間が過ぎて、競技会はおしまいになった。パパたちは4位だったよ。これって大健闘かな。

「パパ、すごかったね!みんなプレイが早いしボクにはわからないとこもあったけど、ワクワクドキドキしちゃったよ」
「ははは、今日はおまえもすっかりブリッジにはまったな。楽しいものだってわかれば大収穫だよ。それに、静かに見ていて偉かったぞ。さあ、ママとウィニーが待ってるからもう行こうか」パパはにっこりしてボクの頭をなで、みんなにあいさつして会場を出た。
こぐまラーメンにて
 
「おにいちゃん、おもしろかった?ちゃんとブリッジできた?」
外に出たとたんに、ウィニーが飛びついてきた。パパはウィニーを抱き上げながら、車に向かった。
「やあ、待たせたかな。今日は橋之介もがんばったから、子供たちの好きなこぐまラーメンへ行こう」
こぐまラーメンは、ぼくらのお気に入りのお店だ。北海道生まれのママも、ここのお店の旭川風ラーメンが大好物なんだ。でも今日は注文もそこそこに、パパとママにお願いしたいことがある。
「ねえ、パパ、ママ。ボク今日とっても楽しかったの。ブリッジってもっとむずかしいのかと思ってた。ボク、ちゃんとブリッジ習いたい。ミニブリッジ教室 に通っていいでしょう?教室に来る人たちと練習して、パパやママやおじいちゃんたちとブリッジできるようになりたいんだ。ね、お願い!」
「まあ橋之介、ずいぶん熱心ね。そんなにおもしろかったなら、今日は来てよかったわねえ」ママがうれしそうに目をくるくるさせた。
「自分がやりたい気持ちのときこそやってみるといいんだ。よかろう、やってみなさい。ただし、学校の勉強もちゃんとすること。それから、パパもママも教室に付き添ってあげられないぞ」
「だいじょうぶ、ボク自分で行けるよ!もう友だちもできたんだ。そうだ、健君に、教室に行くことになったって知らせなきゃ。健君も来るといいなあ。ママ、携帯電話持ってる?」
「あらあら、ちょっと落ち着きなさい。電話はおうちに帰ってからね。さあ、いまはお食事の時間よ!」
NECブリッジフェスティバル
ちょうど湯気を立ててるラーメンが4つ、運ばれてきた。ママは張り切って、ウィニーに手早くエプロンをかけてやった。
ミニブリッジの教室に行けることになって安心したら、ボクもすごーくお腹がすいてきた。今日は頭もいっぱい使ったしね。ギョウザとチャーハンも追加してもらおうかなあ。
「おにいちゃん、健くんってどんな子?」あつあつのラーメンをふうふう吹きながら、ウィニーが聞いた。
「今日友だちになったんだ。とっても頭がよくて、やさしいんだよ」ボクは答えながら、おうちに帰ったら、寝るまでにぜったい健君に電話しようと決めたんだ。
 
 
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